GALLABO TOKYOのヴィジョン

有田 隆也


ギャラリーとラボラトリーの両者をブレンドした「感じる」+「考える」ための新しいスペースを創りたい!

 

GALLABO TOKYO(ギャラボトウキョウ)創設の基本的なモチベーションは「AI  (大規模言語モデル: LLM)によって、作品の見え方そのものが変わる、豊かになる体験をつくりたい」ということです。そのための実験場がGALLABO TOKYOです。そして、作家の方々にもできればクリエイティブな影響を与えられればと考えています。

 

そのための主たる実践は,オンサイトのExhibitionShowcase,及びオンラインのAI Critiqueです.ExhibitionShowcaseは通常のギャラリー展示と同等ですが,前者は作品展示にAIの作品解釈・批評[1][2]を重ねた新しい鑑賞手段を提供します。後者は立体作品を含む多様な表現を時間をかけて展開する長期展示です。一方、AI CritiqueAIが生成した批評を継続的に掲載していくテクニカル・レポートです.

 

これらによって,「AI批評に基づくアート・エコロジー AI-Centered Ecology of Artistic Feedback」を実現したいと考えています.これは,LLMによる批評生成を基盤として,作家,鑑賞者,AI批評家,AI設計者が作品・批評・コメントを媒介にして相互作用を繰り返すことで,作品の芸術的な意味・価値を絶えず更新していくエコロジカルな創造環境です.

 

これらの実践と並行して、以下も実践の柱とします.

  • Future Collectives Collection: 新進作家の方をえらんで作品を所蔵・展示します
  • Showcase: Boardgames: 考える喜びをもたらすドイツボードゲームを活用します
  • Sketch×Critique: 来場者が描いたスケッチにLLMが様々なコメントを出力します

以上の活動を支えるバックグラウンドは以下です.

  • ALIFE (人工生命):私の研究テーマであり[3][4][5],基本的なスタンス、つまり、様々な概念の前提や基盤を問い直し,創ることによって理解していこうとする構えとして陰に陽に本スペースの企画・運営に反映します
  • DERC (Dual layer gamification Encouraging Reciprocity-based Cooperation):支え合うメカニズムである間接互恵を促進することによるボトムアップな社会的な構造変革の仕組み[6]であり,本スペースもその実現の一端を担います

参考文献

 

[1] T. Arita, W. Zheng, R. Suzuki, and F. Akiba, "Assessing LLMs in Art Contexts: Critique Generation and Theory of Mind Evaluation"arXiv, 2025 (doi: 10.48550/arxiv.2504.12805).

[2] W. Zheng, R. Suzuki, and T. Arita, "Artificial Intelligence as Art Critic: Design and Comparative Turing Test of Human vs. AI Critiques", Proc. of Artificail Life and Robotics (AROB), pp. 75-80, Jan. 2025.

[3] 有田隆也, "人工生命(改訂2版)", 医学出版, 2002.

[4] 有田隆也, "心はプログラムできるか",ソフトバンク クリエイティブ,2007

[5] 有田隆也, "生物から生命へ", 筑摩書房, 2012.

[6] T. Arita and N. Ogawa, "Promoting Reciprocity-based Cooperation by Dual Layer Gamification", Proceedings of the 17th Annual European Conference on Simulation and AI in Computer Games(GAMEON 2016), pp. 22-27, 2016.